側湾症とは
側湾症(脊柱側弯症)とは、背骨が左右に曲がり、ねじれを伴う状態を指します。
通常、背骨は正面から見るとまっすぐですが、側湾症ではS字やC字に湾曲し、回旋(ねじれ)も加わります。
この状態は、見た目の変化だけでなく、進行すると内臓や神経系にも影響を及ぼす可能性があります。
側湾症の原因
側湾症の原因は多岐にわたりますが、以下のように分類されます
1. 特発性側湾症
原因が明確でないタイプで、全側湾症の約80%を占めます。特に10歳以降の思春期に発症する「思春期特発性側湾症」が多く、女子に多く見られます。
2. 先天性側湾症
生まれつき椎骨の形成異常がある場合に発症します。椎骨の形成不全や分節異常が原因です。
3. 神経・筋原性側湾症
脳性麻痺や筋ジストロフィーなど、神経や筋肉の疾患に伴って発症します。
4. 機能性側湾
一時的な側弯状態で、椎間板ヘルニアなどの痛みによって姿勢が崩れることで生じます。
側湾症の症状
初期の側湾症は自覚症状が少ないことが多いですが、進行すると以下のような症状が現れることがあります
• 肩の高さの左右差
• 片側の肩甲骨の突出
• 腰の高さの左右差
• 前屈時に背中の片側が隆起する(肋骨隆起)
• 腰痛や背部痛
• 呼吸機能の低下(重度の場合)
特に思春期の子どもでは、学校検診での前屈テスト(アダムス前屈テスト)で発見されることが多いです。 
側湾症の診断方法
側湾症の診断には以下の方法が用いられます
• 視診と触診:肩や腰の高さ、肩甲骨の突出などを観察します。
• 前屈テスト:前屈時の背中の隆起を確認します。
• X線検査:背骨の湾曲の程度を測定します。
コブ角(Cobb角)と呼ばれる角度が10度以上で側湾症と診断されます。 
側湾症の治療法
治療法は側湾の程度や進行の有無、年齢などによって異なります。主な治療法は以下の通りです。
1. 経過観察
コブ角が25度未満で進行が見られない場合は、定期的な経過観察を行います。
2. 装具療法
コブ角が25度以上で成長期にある場合、装具(コルセット)を装着して進行を抑制します。装着時間が長いほど効果が高いとされています。
3. 手術療法
コブ角が40度以上で進行が著しい場合や、呼吸機能に影響が出ている場合は、手術による矯正固定術が検討されます。手術は進行の予防や症状の改善を目的としています。
まとめ
側湾症は早期発見と適切な治療が重要です。
特に成長期の子どもでは進行しやすいため、定期的な検診や家庭での観察が大切です。
肩や腰の高さの左右差、姿勢の変化などに気づいたら、早めに整形外科を受診しましょう。
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