気づきにくいけど“進行する”…それが側弯症
「いつからか、姿勢が悪くなってきた気がする」
「背中の左右差が気になるけど、成長のせいかも?」
そんなふうに、何となく違和感はあるけれど放置されてしまいやすいのが側弯症の初期症状です。
特に子どもの場合、痛みが出るわけではないので“異変”として自覚しづらいのが特徴です。
実際に相談に来られるご家族の中にも、「写真を見返してみたら、確かに肩の高さが違っていた」という声がよくあります。
違和感の“見える化”が、気づきの第一歩になるのです。
親子で気づきたい!見逃されやすい体のサイン
以下のような兆候があれば、軽度の側弯が進行している可能性もあります:
• 写真で見ると肩の高さが左右で違う
• 片方のウエストラインだけくびれている
• 後ろ姿を見たとき、背骨が真っ直ぐではない
• 前かがみになると、背中の盛り上がりに左右差がある
• 片側の肋骨が出ているように感じる
実はこうした「見た目の違和感」は、体の使い方のクセから出ていることも多いです。
また、子ども本人が感じている違和感としては
• 「長時間座っていると背中が疲れる」
• 「片方の靴だけすり減る」
• 「よく転ぶ」
• 「片方に重心をかけて立ちたがる」
など、日常生活に現れる小さなクセがヒントになります。
“角度だけ”に頼らない見方が必要な理由
病院では側弯症の診断にレントゲンを使い、**「Cobb角(コブ角)」**という角度で評価します。
これは医学的な基準として重要ですが、角度だけで体の不調は説明しきれないのも事実です。
実際、当院では角度よりも
• 骨盤の傾き
• 股関節や肋骨の動き方
• 側屈(体を横に倒す動作)でどこが動いていないか
といった**“動きのクセや硬さ”**に注目して見ています。
これは、「ねじれたタオル」のように体が固まっている状態をほぐすために必要な見方です。
動き方や使い方を見直すことが、将来の痛みや疲れやすさを防ぐヒントになります。
まとめ:気づくことで選べる選択肢が広がる
脊柱側弯症は、見逃されがちですが“今”気づくことで、できることがたくさんあります。
進行のスピードをゆるやかにしたり、動きのクセを整えたり、「痛みの出にくい体」をつくる選択肢を、早めに持てるかどうかが大きな差になるのです。
成長期でも、大人になってからでも、「どうすればこの体ともっと仲良くなれるかな?」と優しく問いかけながら、自分のからだを見つめ直す時間を持つことが第一歩になります。
そして、側弯症を「数字だけで判断しない」という視点が、あなたの安心にもつながればと思います。
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