側弯症の診断に欠かせない“Cobb角”とは?知っておきたいレントゲンの見方

 

 

そもそも“Cobb角”ってなに?

側弯症の診断でよく聞く「Cobb角(コブ角)」という言葉。これは、レントゲン写真を用いて背骨の曲がり具合を数値化するための指標です。

 

具体的には、最も傾いている上下の椎骨を見つけ、その椎体の上縁と下縁にそれぞれ線を引き、できた角度を測定したものが「Cobb角」と呼ばれます。

 

角度が大きいほど背骨のカーブが強く、以下のような基準で分類されます。

• 10〜20度未満:軽度
• 20〜40度:中等度
• 40度以上:重度

 

ただし、「角度=つらさ」ではありません。角度が軽くても痛みや機能制限が強い方もいれば、重度でも日常生活を送れている方もいます。

数値だけでは判断できない“体の状態”

病院では主にCobb角での評価が中心ですが、実際の不調の感じ方はもっと複雑です。

 

たとえば…
• 股関節の硬さが原因で体全体が捻れている
• 骨盤の傾きが背骨の側湾に影響している
• 呼吸の浅さや肋骨の可動性の左右差がある など

 

私たちが重視しているのは、「数字に表れない体の使い方のクセ」。

 

同じCobb角でも、どの筋肉が硬いのか/どの部位が動いていないのかによって必要なケアはまったく違います。

レントゲンがないからこそ“動き”を診る

整体や手技療法ではレントゲンを撮ることはできません。

だからこそ、「動き」や「姿勢の変化」から状態を把握する技術が必要です。

 

たとえば…
• 体を横に倒したとき、どちらが倒しやすいか
• 肋骨のどこが張っているか、凹んでいるか
• 股関節の内旋・外旋の左右差
• 呼吸時の胸郭の広がり方の違い

 

これらを丁寧に観察することで、「数字では見えない側弯症の姿」が浮かび上がってきます。

さいごに

Cobb角は、側弯症を知るうえでとても大切な指標です。でもそれは「体の状態のごく一部」に過ぎません。

 

大切なのは、自分の体がどんなふうに使われていて、どこが無理をしているのかに気づくこと。

 

レントゲンの角度だけで「様子を見ましょう」と言われた方も、「本当は、今どこをかばって動いてるのかな?」「痛みの原因は、角度ではなく使い方にあるのかもしれないな」

 

そんなふうに、ちょっとだけ見方を変えてみると、体への接し方やケアの方向性も、もっとやさしく、もっと深くなっていくはずです。

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