側湾症で手術が必要なケースとは?──判断基準と治療の選択肢を専門的に解説

側湾症の手術が検討される主な基準

側湾症の治療は、側弯の程度(コブ角)や進行の有無、年齢、症状の有無などを総合的に判断して決定されます。

 

一般的に、以下のような場合に手術が検討されます。

• コブ角が40度以上

特に成長期の子どもでコブ角が40度以上の場合、将来的な進行リスクが高いため、手術が検討されます。 

 

• コブ角が45度以上

成長が終了した後でもコブ角が45度以上の場合、進行の可能性があるため、手術が考慮されます。

 

• 装具療法で進行が抑えられない場合

装具療法を行っても側弯が進行する場合、手術が必要とされることがあります。

 

• 外見上の変形が著しい場合

肩の高さの左右差や背中の隆起など、外見上の変形が著しい場合、心理的な影響を考慮して手術が検討されることがあります。

 

• 呼吸機能や神経症状への影響がある場合

重度の側弯により肺や神経に影響が出ている場合、手術が必要とされます。

 

これらの判断は、医師と患者さん、家族が十分に話し合い、リスクとベネフィットを理解した上で決定されます。

手術の目的と期待される効果

側湾症の手術は、主に以下の目的で行われます。

• 側弯の進行を防ぐ

手術により脊柱を矯正・固定することで、側弯の進行を防ぎます。 

• 外見上の改善

背骨の曲がりを矯正することで、肩の高さの左右差や背中の隆起などの外見上の変形を改善します。

• 呼吸機能の改善

重度の側弯により肺が圧迫されている場合、手術により呼吸機能の改善が期待されます。

 

• 痛みや神経症状の軽減

神経が圧迫されている場合、手術により痛みやしびれなどの症状が軽減されることがあります。

 

手術の方法や範囲は、側弯の程度や患者さんの年齢、健康状態などにより異なります。手術のリスクや合併症についても十分に理解し、医師と相談することが重要です。

手術を検討する際の注意点

側湾症の手術を検討する際には、以下の点に注意が必要です。

 

• 成長期の子どもでは慎重な判断が必要

成長期の子どもでは、骨の成長が続いているため、手術のタイミングや方法について慎重な判断が求められます。

 

• 手術のリスクとベネフィットを理解する

手術には出血や感染、神経損傷などのリスクがあります。一方で、側弯の進行を防ぎ、生活の質を向上させる可能性もあります。

 

これらを十分に理解し、医師と相談することが大切です。 

 

• 術後のリハビリや生活への影響を考慮する

手術後はリハビリが必要となり、一定期間の活動制限が生じることがあります。また、術後の生活や学校・仕事への影響も考慮する必要があります。

 

これらの点を踏まえ、手術の必要性やタイミングについて、医師と十分に話し合い、納得のいく決定をすることが重要です。

さいごに

側湾症の手術は、側弯の進行を防ぎ、生活の質を向上させるための有効な治療法です。

しかし、手術にはリスクも伴うため、慎重な判断が求められます。

 

側弯の程度や進行の有無、症状の有無などを総合的に評価し、医師と十分に相談した上で、最適な治療法を選択することが大切です。 

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