症例報告:63歳女性|膝上部の痛み・水がたまる膝の再発事例

【はじめに】

「以前よくなった膝の痛みが、また出てきた」

「動き始めにズキッと痛み、整形外科の注射でもスッキリしない」

 

そんな声に多く触れてきました。今回ご紹介するのは、膝の水がたまる症状が再発した63歳女性の改善事例です。

 

ヒアルロン酸注射を受けながらも根本的な改善を求めて来院されました。

患者様の背景と主訴

• 年齢・性別:63歳・女性

⚫︎主訴

• 膝上部の痛み(3〜4年前に発症 → 2年前の夏から再発)

• 歩行時・座位から立ち上がる動作時に痛み

• 整形外科で「水がたまっている」と診断されヒアルロン酸注射を受ける

 

⚫︎ 日常生活での支障

• 長時間座った後の動き出しが痛い

• 朝の起き上がり動作での膝のこわばり

• 湿布やサポーターの効果が実感できず不安感が強くなってきた

これまでの対処

整形外科にて

• レントゲン:骨に異常なし

• ヒアルロン酸注射(週1回×5回の計画)

• 湿布とサポーターの併用

 

ご本人の工夫
• 自宅では特別なリハビリやストレッチは実施していない

 

当院での評価と見立て

膝周辺だけを診ても、痛みの根本は見えてきません。本症例では、以下のような点が見立てのポイントとなりました。

 

① 膝単独ではなく「下半身全体の連動性」が崩れていた

• 股関節の内旋制限、足関節の回外傾向

• 体重移動の際に膝に捻じれが集中し、膝上の筋膜が過緊張

 

② 姿勢と動作のクセ

• 長年の軽度なO脚傾向+反り腰姿勢

• 歩き始めに足の裏が外側に偏って着地 → 膝の内側がねじれるように使われる

 

③ 関節包や筋膜の癒着

• 膝上部の大腿四頭筋(特に内側広筋)に圧痛と硬さ

• 関節包がうまく動かず、関節液の循環不良により水がたまりやすい状態

 

④ 自律神経の関与

• 起床時のこわばり、夜間の違和感などから、自律神経の乱れによる血流低下や回復力の低下も関与していると判断

施術アプローチと経過

筋膜リリース&関節包の解放

• 膝上部〜太もも前面の癒着を丁寧にリリースし、関節の滑走性を回復

• 膝裏(膝窩筋)や膝蓋下脂肪帯の癒着ポイントにもピンポイントでアプローチ

 

下半身のバランス再構築

• 股関節と足関節の可動性を広げ、膝に集まっていたねじれストレスを分散

• 姿勢と体幹のコントロールを含めたトレーニング指導も実施

 

動作改善と再教育

• 立ち上がりや歩き始めに負担がかかりにくい体の使い方を習得

• 「痛くない動き方」で自信を取り戻すことを重視したアプローチ

 

自宅ケア指導

• 冷却のタイミングや湿布の見直し

• 自律神経の安定を図るための深呼吸エクササイズも併用

 

【施術経過と変化】
• 1ヶ月目
→ 膝の水が少しずつ減り始め、立ち上がりの痛みが軽減

 

• 3ヶ月目
→ 歩き始めや階段での痛みも減少し、朝のこわばりも楽になる

 

• 6ヶ月目以降
→ 動作全体がスムーズになり、注射やサポーターに頼らず過ごせるように

→ 月1回のメンテナンスで快適な状態をキープ中

さいごに

膝の痛みは“その場所だけの問題”ではないことがほとんどです。

 

再発を繰り返す膝の不調には、姿勢・歩き方・体の使い方のクセが関わっている場合が多くあります。

 

和歌山スマイル整体院では、症状の根本に向き合い、身体全体のバランスを整えることで自然治癒力を引き出すサポートを行っています。

 

「湿布や注射では改善しなかった」
「また痛みがぶり返すのが怖い」

そんなお悩みをお持ちの方、ぜひ一度ご相談ください。

膝痛・変形性膝関節症について詳しくはこちら

この記事に関する関連記事

和歌山スマイル整骨院・整体院