「歩くと膝が痛い、じっとしていても痛む…“疲れ”じゃなく“体のバランス”かもしれません」 

 

はじめに

歩くと膝が痛い、じっとしていても痛む──“使いすぎ”ではなく“整っていない”かもしれません

 

「歩くと左膝が痛い」「立ち上がるときにグキッとする」「じっとしているとズーンと痛くなる」

 

そんなお悩みを抱える方は少なくありません。今回は、実際に72歳の男性が体験された症状をヒントに、膝痛の背景にある体のバランスや姿勢の問題について考えていきます。

膝の痛みは“膝そのもの”のせいではない?

この方は30代の頃に交通事故に遭い、それ以降はストレッチを意識して生活されていました。

しかし、左膝に違和感を感じながらも仕事を続け、歩くと痛みが出たり、立ち上がる時にグキッとしたりする症状が長く続いていました。

 

さらに、仕事で重い荷物を持ったり長く歩くと膝の痛みが悪化し、反対に休み明けは楽になる。こうした状況を「疲れのせい」と思っていたそうです。

 

けれど、実際には体のバランスや動き方のクセが大きく影響していたのです。

静止時に痛むのは“循環”と“筋膜”のサイン

じっとしている時に痛む膝──これは多くの方に共通する悩みです。

 

実はこのような痛みは、「関節や筋膜の動きが止まっている時間が長いこと」で、血流や神経の通りが悪くなっているサインかもしれません。

 

特に膝関節は、周囲の筋肉と筋膜、そして股関節や骨盤、足首とのつながりによってバランスを保っています。

 

そのため、膝単体だけを評価しても、根本的な解決にはつながりません。

「頑張った日ほど痛くなる」は“歪み”の蓄積

「仕事で頑張った日ほど痛いのに、休みの翌日は楽になる」という感覚。これは、“筋肉が疲労している”というよりも、“身体が歪んだまま動かされ続けた結果”と言えます。

 

重い荷物を持つ動作や、同じ姿勢での歩行は、体の左右バランスを崩し、特定の部位に過剰な負担をかけてしまいます。

 

その結果、膝の一部だけに緊張が集まり、痛みが出やすくなるのです。

ラジオ体操が逆効果になることも?

毎日ラジオ体操を続けていても、痛みが改善しないケースがあります。

理由は、「正しい体の使い方を知らずに動いているから」。

 

体がゆがんでいる状態でストレッチや体操をすると、「代償動作」と言って逆に不安定な部分を補うために他の関節や筋肉が過剰に働いてしまい、かえって痛みが強くなることもあります。

 

そのため、まずは体のどこが崩れていて、どこを正しく動かせていないのかを見極めることが大切です。

専門的に見た体の使い方の問題

私たちは膝の痛みを訴える方に対して、次のような部分を重点的に確認しています。

  • 骨盤の傾きや捻れが膝に影響していないか?
  • 股関節や足首の動きが制限されていないか?
  • 筋膜の緊張が膝の滑らかな動きを妨げていないか?
  • 過去の外傷(ムチウチなど)が全身の連動性に影響していないか?

 

こうした視点で体を整えていくと、自然と「踏ん張りやすい」「立ちやすい」「じっとしていても痛くない」という変化が現れてきます。

今日から意識したい“体の使い方”のポイント

1. 立ち上がるときはお尻を使って押し上げる
→ 膝ではなく股関節を主導にすると、負担が大きく変わります。

 

2. 荷物を持つときは片側に偏らないように
→ バランスが崩れると膝への片寄りが起きやすくなります。

 

3. ストレッチよりもまずは“ゆがみ”を整える意識を
→ 動かすことが目的にならないように、正しい位置で動かすことが大切です。

さいごに

膝の痛みは、年齢や使いすぎのせいではなく、「体がうまく連動できていない状態」を知らせてくれるサインです。

 

痛みを抑えることよりも、「なぜそこに負担がかかってしまっているのか?」という視点を持つことが、根本的な改善につながります。

 

“あなたの膝は、日々の姿勢や動きの“積み重ね”を教えてくれているのではないでしょうか。

膝痛・変形性膝関節症について詳しくはこちら

この記事に関する関連記事

和歌山スマイル整骨院・整体院