54歳女性|膝の変形と体勢変化時の痛みの改善事例

【はじめに】

 

「体勢を変えるたびに膝が痛む」「正座もできず、階段は一段ずつ」
こうした症状に悩む方の多くは、膝だけでなく身体全体の歪みや過去の怪我の影響が関係しています。

 

今回は、左膝の変形と体のバランス崩れにより、日常動作で痛みが強く出ていた54歳女性の改善事例をご紹介します。

【患者様の背景と主訴】

• 年齢・性別:54歳・女性
• 主訴:
• 左膝の痛み(変形性膝関節症)
• 正座ができない(4〜5年前から)
• 体勢を変えるときに激しい痛み(寝返り・立ち上がり・階段昇降)
• 腰痛:一日中じわじわとした痛みあり
• 既往歴:
• 大腿骨骨折歴あり
• 左膝:後十字靭帯損傷・半月板損傷の既往
• 2ヶ月前に病院で膝の水を抜いたが、それ以降も痛みが継続
• 現在の症状:
• 階段は一段ずつでないと昇降できない
• 同じ姿勢からの動き出しで強い痛み
• 姿勢の歪みを鏡で見て気づき、違和感がある

 

【これまでの対処法】
• 痛み止めの服用(内服薬)
• マッサージ通院歴あり
• 自宅では朝に軽いストレッチや、体を伸ばす動き(ボキボキ)をしていた
• 本格的な運動療法は行っていない

【当院での評価と見立て】

膝関節だけでなく、全身バランスの崩れが痛みの根本原因

• 左膝の構造的損傷により、体幹・股関節・足部まで連動不良
• 過去の大腿骨骨折による左右のバランス不均衡
• 歩き方や体重のかけ方に歪みが生じ、「動き出しの痛み」へとつながっていた

 

正座困難・階段昇降時の不安は筋膜・神経の硬さから

• 膝後面の筋膜癒着(特にハムストリング・膝窩)
• 体重移動がスムーズにできないことによる負担集中

【施術アプローチ】

1. 膝周囲の筋膜リリースと関節の滑走改善
→ 特に後方組織と内側広筋へのアプローチ

 

2. 股関節と体幹の安定性向上トレーニング
→ 左脚への過負荷を軽減し、バランスを整える

 

3. 足部〜足趾の可動域改善
→ 足元からのサポートを強化し、安定した立ち上がりと階段昇降を可能に

 

4. 動き出しをスムーズにする運動療法の指導
→ 朝起きた時や座位からの動作を無理なく始める方法を個別に指導

 

【施術経過と結果】

• 1ヶ月目
→ 膝の動き出しの痛みが軽減、階段の昇降も手すりなしで1段ずつ可能に

 

• 3ヶ月目
→ 階段昇降がスムーズになり、寝返りや立ち上がり動作も痛みが減少

 

• 6ヶ月目以降
→ 正座は難しいが膝の可動域が広がり、生活動作が大きく改善
→ 定期的なメンテナンスで膝と腰の安定を維持中

膝痛・変形性膝関節症について詳しくはこちら

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