夜も眠れない膝の痛み…“動き方”を見直すと日常が変わるかもしれません

「夜も眠れないほどの膝の痛み」

 

膝の痛みがつらい…。

 

それだけでなく、「寝返りがうてない」「ぐっすり眠れない」など、日常生活のあらゆる場面に影響が出ているという方は少なくありません。

 

今回お話するのは、70歳の女性のようなケースです。

• 右膝は変形性膝関節症で、当初は激痛があり現在も痛みが残っている

• 膝が曲がらず、立ち上がり・階段・歩行に不安

• 夜も寝返りが打てず、熟睡できない日が続いている

• 太ももやふくらはぎの筋トレ・ストレッチをしてきたが、改善は一進一退

 

痛みを抑えるためにヒアルロン酸注射や鍼灸なども試されたものの、通院が難しくなり、今はセルフケアを続けている状況。

痛みは“膝だけ”の問題ではない

「膝が悪い」と言われると、膝そのものに原因があるように感じてしまいます。

 

けれど実際には、

• 股関節や足首の動きが悪い

• 骨盤の傾きで片側に負担が偏っている

• 腰や背中の動きが硬くなっている

 

こうした“全身の動きの連動が崩れている”ことが、膝の痛みを長引かせているケースがとても多いのです。

寝返りで痛むのは、筋肉が「うまく休めていない」から

寝ている時、痛みで起きてしまう…というのは、体が脱力できておらず、常に緊張している証拠です。

 

特に変形性膝関節症がある方は、

• 膝が伸びきらない

• 股関節が開かない

• 背中が丸くなり前重心

など、寝ている間も関節や筋膜が突っ張っている状態の方が多いです。

 

本来、睡眠中は「重力から解放されて休める時間」のはずですが、姿勢や体のゆがみで休むべき筋肉が休めていないため、朝起きても疲れが抜けず、痛みやだるさが残ってしまいます。

膝が曲がらない=膝だけの問題ではない

「膝が曲がらない」という症状も、実は股関節や足首の“助け”が不足していることで生じている場合があります。

 

たとえば、股関節が硬いと膝にねじれが起きて、曲がりにくくなる。

足首が動かないと、しゃがむときに膝に過剰な圧がかかる。

 

つまり、膝の可動域が狭くなる原因は“上下の関節の機能低下”であることが多いのです。

階段が怖いと感じたら、“体の支え方”を見直す

「階段を降りるときに怖さがある」というのは、身体がうまく重力に耐えられない状態かもしれません。

 

階段動作には、

• バランス感覚

• 体幹の安定性

• 股関節・足首の柔軟性

が必要です。

 

これらがうまく働いていないと、膝にだけ頼った動作になってしまい、痛みや不安定さを強く感じてしまいます。

セルフケアを続けているのに良くならない理由

ご自身でストレッチや筋トレを続けている方も多くいらっしゃいます。

 

ただ、「やっているのに変わらない」という方の多くが、

• 適切なタイミングや頻度で行えていない

• 動作のクセを直さずにケアしている

• “使えていない筋肉”ではなく“使いすぎている筋肉”を伸ばしている

といった方向性のズレが起きていることが少なくありません。

「膝に優しい生活」を送るための第一歩

変形性膝関節症は、確かに加齢による影響もあります。

 

でも、痛みがずっと続く・再発する理由は「体の使い方」にあることが多いのです。

・どこをサボっていて

・どこが代わりにがんばっているのか

 

この視点でご自身の動き方を見直すことで、“少しでもラクに動ける”時間が増えていきます。

さいごに

膝の痛みで夜も眠れない、階段が怖い、普通の生活がつらい…。

 

それは、「膝だけを治そう」としてもうまくいかないのかもしれません。

 

身体はつながっています。

 

「支える場所」「動かす場所」「休ませる場所」

そのバランスを見直すことで、体は少しずつ、変わっていきます。

 

“これ以上悪くならないように”と、がんばってセルフケアをされてきたあなたへ。

 

そのがんばりが正しい方向に向かうように少しだけ、体全体を見直してみてくださいね。

膝痛・変形性膝関節症について詳しくはこちら

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